こんにちは。婚活アドバイザーのサヤカです。
今日は、お子さんの婚活がなかなか前に進まず、やきもきしていらっしゃる親御さんに向けて書きます。
「もう何年も活動しているのに、お見合いが組めない」 「申し込んでもお返事がもらえない」 「会えても二回目につながらない」
そんなお悩みへの答えは、いつも同じなんです。
お子さんに、お金を渡して美容院に行かせてください。
「えっ、そんなことで?」と思われるかもしれません。でも、私にはずっと忘れられない友人の言葉があります。
その子は、身体を誰かに触ってもらうのがとにかく好きで、「シャンプーしてもらいたいときだけ美容院に行くんだよね」と笑いながら話してくれました。当時の私は「そういうものかな」と聞き流していたのですが、あとになって、あれはとても正直な感覚だったのだと気づきました。
これにはちゃんとした理由があります。今日はその「理由」を、できるだけわかりやすくお話しさせてください。
「身だしなみ」はマナーではなく、生き物としての信号です
まず、誤解を解いておきたいことがあります。
清潔感というのは、「礼儀正しさ」や「相手への配慮」といったお行儀の話ではありません。もっと根っこの深い、動物としての信号(サイン)なのです。
私たち人間は、サルの仲間です。サルたちは一日の多くの時間を、お互いの毛をすいたり、整えたりすることに使います。これは「あなたと仲良くしたい」「あなたを大切に思っている」という気持ちのやりとりであり、同時に「自分はちゃんと群れの中で誰かに手をかけてもらえる存在ですよ」という地位の証明でもあります。
つまり、毛づくろいをしてもらえている個体は「この子は誰かに大事にされている、価値のある仲間だ」と周囲から見なされるのです。
現代では、この毛づくろいの本能を満たしてくれる場所こそが、美容院やエステ、ジムなのです。そこで髪を切り、肌を整え、体を引き締めてもらうことは、いわば「整えられた個体」になること。手をかけてもらえている人、自己管理ができる人という信号を、無言のうちに発することなのです。
逆に言えば、髪がボサボサで、肌が荒れ、姿勢の崩れた人は、本人にそのつもりがなくても「この人は誰にも手をかけてもらっていない、群れの中での立ち位置が低い人かもしれない」という、まったく望まない信号を発してしまっています。
これが、お見合いの「写真選考」ではじかれてしまう、本当の理由です。
自信は「心」ではなく「体」から生まれます
もうひとつ、大切なお話をします。
婚活で苦戦するお子さんの多くは、口をそろえて「自信がないんだ」とおっしゃいます。親御さんも「あの子はもっと自信を持てばいいのに」と願っていらっしゃるでしょう。
ここで知っておいていただきたいのは、自信というのは、気持ちを入れ替えれば湧いてくるものではないということです。
むしろ順番は逆なのです。
背筋を伸ばし、肩の力を抜き、胸を開いて立つ。たったそれだけで、人の体の中では「落ち着き」や「余裕」をつくるホルモンが働きはじめ、緊張やストレスをもたらすホルモンは静まっていきます。つまり、堂々とした姿勢をとると、後から心が堂々としてくるのです。
反対に、いつも背中を丸め、うつむき、肩をすぼめている人は、その姿勢そのものが「自分は弱い、地位が低い」という気分を、本人の心にじわじわと刷り込んでいきます。
長い時間パソコンに向かい、画面をのぞき込む現代人は、知らず知らずのうちにこの「縮こまった姿勢」が癖になっています。真面目に勉強や仕事を頑張ってきたお子さんほど、この罠にはまりやすいのです。頑張り屋さんが、なぜか恋愛では元気をなくしてしまう。その一因はここにあると、私は見ています。
ですから、お子さんに「自信を持ちなさい」と言葉で言うのは、実はあまり効果がありません。それよりも、ジムに通わせて体を鍛え、姿勢を整えさせるほうが、ずっと早く「自信のある雰囲気」をつくれるのです。
つまり、親御さんにできるのは「装備」を整えてあげることです
少し専門的な言い方をしますね。
婚活の世界では、相手は無意識のうちに「この人は、家庭をつくり、守っていける力があるか」を見ています。経済力、健康、安定感、頼もしさ——そういった「持っている力の総量」のようなものを、ひとめで値踏みするのです。
そして恐ろしいことに、その値踏みの多くは、見た目の信号だけで一瞬にして行われます。
中身が立派でも、信号が出ていなければ、相手はそもそも会ってくれません。会話の優しさや誠実さを知ってもらう「その手前」で、ふるい落とされてしまうのです。
だからこそ、髪を整え、肌を磨き、体を鍛え、姿勢を正すことは、単なるおしゃれではありません。「自分は力のある、頼れる個体ですよ」という信号を意図的に身にまとう、戦略的な装備なのです。
お子さん本人にこの「装備」を一から揃えさせるのは、なかなか難しいものです。何にお金をかければいいかわからず、面倒くさがり、後回しにしてしまう。これは性格の問題ではなく、優先順位がわからないだけ。
ここで親御さんの出番です。
親御さんへの、具体的なお願い
「がんばりなさい」ではなく、こう言ってあげてください。
「美容院代を出すから、いいお店で切ってもらっておいで」 「ジムの会費はうちが持つから、続けてごらん」 「写真を撮るときのジャケット、一緒に買いに行こう」
お説教は一切いりません。むしろ逆効果です。必要なのは、お子さんが自分の魅力を整えるための入り口を、親御さんがそっと用意してあげることだけです。
人は、誰かに手をかけてもらい、整えてもらってはじめて、「ああ、自分はこんなに変われるんだ」と気づきます。きれいになった自分を鏡で見て、背筋を伸ばして街を歩けるようになったとき、お子さんの内側で、止まっていた何かが動きはじめます。
美容院やジムに通わせることは、贅沢でも甘やかしでもありません。それは、お子さんの「人としての価値」をきちんと外に届けるための、もっとも確実で、もっとも費用対効果の高い投資です。
我が子の幸せを願う親御さんへ。 まずは、財布を開いて「行っておいで」と背中を押すこと。 婚活の長いトンネルの出口は、案外そんな小さな一歩の先にあります。