こんにちは。婚活アドバイザーのサヤカです。

親御さんのお悩みとして、本当によく見かけるものがあります。

「うちの子に、結婚っていいものよ、孫の顔を見せてちょうだい、と何度言っても響かないんです」「経済的にも安定するし、老後も安心だし、と説いても、はいはいと聞き流されてしまう」――。

お気持ち、本当によくわかります。心からお子さんの幸せを願い、結婚することの素晴らしさを伝えようとしているのに、まるで暖簾に腕押し。むしろ言えば言うほど、お子さんは結婚から遠ざかっていくようにすら見える。

実はこれ、親御さんの伝え方が悪いわけではありません。人間の心の仕組みのほうに原因があるのです。今日はその「仕組み」をお話しさせてください。これを知っていただくだけで、お子さんへの声のかけ方が、根本から変わると思います。

人は「得るもの」より「失うもの」をずっと重く見る

突然ですが、ひとつ実験のお話をさせてください。

行動経済学という分野で有名な研究者たちが、サイコロを振って表が出たら千五百円もらえ、裏が出たら千円払う、というゲームを提案したことがあります。冷静に計算すれば、明らかにお得な賭けです。ところが、ほとんどの人がこのゲームを断ったのです。

なぜでしょうか。

それは、人間の脳は「得をする嬉しさ」よりも、「同じ額を失う悔しさ」のほうを、はるかに大きく感じるように出来ているからです。千五百円もらえる喜びと、千円失う痛みを天秤にかけたとき、痛みのほうが勝ってしまう。だから動けない。この性質を説明する考え方は 「プロスペクト理論」 と呼ばれ、提唱した学者はノーベル賞を受賞しています。

これは弱さではなく、私たち人間が長い時間をかけて身につけた、生き延びるための感覚なのだそうです。手元にあるものを失えば、明日の食べ物にも困る時代がずっと続いていた。だからご先祖さまの代から、私たちの脳には「とにかく今あるものを手放すな」という強い指令が、深く刻み込まれている――。そう説明する学者たちがいます。

ここで、お子さんのことを思い浮かべてみてください。

お子さんにとって、結婚は何を意味するでしょうか。親御さんから見れば「幸せが増える」「安心が増える」「家族が増える」――足し算に見えます。

しかしお子さんの目には、まったく違う景色が映っています。

「ひとりで過ごせる夜の静けさを失う」「好きに使えていたお金を失う」「自分のペースで暮らせる自由を失う」「気を遣わずにいられる時間を失う」――引き算ばかりが、ずらりと並んで見えているのです。

親御さんが声を大にして語る「結婚の良さ」は、お子さんの心のなかで、「今ある自由を失う痛み」と相殺されてしまう。いえ、それどころか、痛みのほうがずっと重く感じられているのです。

これでは、いくら結婚の素晴らしさを並べても、心が動くはずがありません。

「情報をたくさん与えれば動く」も、また誤解です

もうひとつ、親御さんがやりがちなことがあります。 「あの子はまだ結婚の良さをわかっていないから」と、本やセミナーや成功談、データや統計を、次々と差し出してしまう。お子さんが寄り付かないとなれば、なおさ ……